まちづくりコンサルタント。元々はあかり町商店街の出身だが、実家の「飯田文具」を継がずに東京で地域開発の職に就く。孝夫・美由紀とは幼馴染。「地元のために」と情熱を燃やすが、彼がアーケード撤去を含んだ地域活性化案を持ち込んだことで、会議は紛糾する。
【孝夫】
小山田精肉店の店主。まだ若いが、父の死去にあたって店を継ぐ。父が商店街の前理事なのもあって運営にも積極的。青年部として活性化案を旧知の飯田に依頼するが、アーケードの存続を巡って対立する。しかし同時に、幼馴染で妻である美由紀との夫婦仲という大問題を抱えている。
【美由紀】
父の代わりにあかぎ酒店の代表として参加。孝夫の妻であるが現実的な部分があり、それが夫婦の性格不一致を招く。結果「病気の母の手伝い」という名目で事実上の別居中。飯田の撤去案にも一定の理解を示す。
【吉岡】
飯田の仕事上の後輩。合理主義的で融通が効かず、度々クライアントと衝突する。それに目をつぶれば、有能で熱意のある、飯田とはお互いに信頼し合うパートナー。
【小川】
小川クリーニング店主。商店街青年部と理事たちの中間世代であり、今回は"お目付役"として会議の進行をかってでるが、優柔不断な性格からか結論を先送りにしようとする。最近帰郷した娘の智美の今後に頭を痛めている。
【智美】
小川の娘で元漫画家。上京し、ペンネーム「小川土門」として一度は雑誌連載まで漕ぎ着けるも、夢破れて実家に戻る。人間関係が苦手で地元にも馴染めず、父によって強引に会議に引っ張り出されるものの、落書きばかりしている。
【関】
若くして独立した塗装業者・絆コーポレーションの社長。地域貢献にも積極的で「絆」「志」と言った暑苦しいワードを多用する。当然アーケードの存続の急先鋒。
【北野】
北野電気代表。利に聡く、ビジネスチャンスをいつも狙っている。頭の回転が速く、アーケード存続派の参謀的存在。しかし基本的に関の金魚のフン。
【持田】
コンセプトのはっきりしない飲み屋「愛子の店」のママ。自分の意見が皆無のノンポリだが、とりあえず多数派であるアーケード存続陣営に属している。美由紀と仲が良い。
【笠原】
笠原古書店店主。商店街の外れに店を構えているのもあり、アーケードの存在には懐疑的。会合にも斜に構えた姿勢で臨むが、話し合いが揉めれば揉めるほど元気になる愉快犯。
【橘】
美大生。卒業制作として「アート・アット・アーケード」というプロジェクトを立ち上げ、あかり町商店街に持ち込む。自信家で「デキる女」ぶっているが、マイナー大学に通っているのがコンプレックス。
【牟田】
橘が招聘したインスタレーション作家。現代美術界隈でそれなりに名は通っているようだが、言葉が独特すぎてコミュニケーションに難あり。アーケードを利用した新作を構想している。